ロルフィング セッション体験記(2)

身体に新しい動作を覚えさせるのではない。障害物を取り除くことで、身体が本来知っている動作を自ら思い出すのだ。だから、ロルフィング(Rolfing®)による変化は一瞬で起きる。あとは、本人が変化に気付くかどうかだ。

2009年9月12日(セッション2)
今日も朝から雨だけれど、気分は前回と違ってウキウキしている。今日はまず、1回目のセッションを受けたあとの身体の変化について質問された。とにかく歩きやすくなって感動したこと、その一方で身体がバラバラに動いているような感覚もあることなどを話す。

今回のテーマは足である。膝から下の部分をやるらしい。私は、ふくらはぎが疲れやすい。朝起きると、ふくらはぎがだるい感じのときがよくある。ロルフィングでどんな効果がでるか非常に楽しみである。

足の骨の模型を見せられる。ずいぶんたくさんの骨がある。外から見ると足の指は短いけれど、内側の骨を見ると足首の下の辺りからちゃんと5本に分かれている。骨だけ見ていると手のようにものが掴めそうな感じがする。

そのあとは、前回のように下着になって写真を撮る。永井さんの指示に従って歩いたり、膝を曲げたりする。足首の外側(くるぶし)に小さく出っ張っている骨がある。膝を曲げたときに、この骨が上下に動くと説明される。ぼくの場合は、ほんの少し動くだけだ。永井さんが見本で膝を曲げてみせると、たしかにその骨が上下に動く。

施術用のベッドに仰向けに寝て、深呼吸をしながらリラックスする。なんだか楽しくなって笑い出してしまう。足を触られながら、力を抜いてくださいと言われるが、ついつい力が入ってしまう。というか、永井さんの手の動きに合わせて、自分で足を動かそうとしてしまう。

セッションも2回目で安心感があるし、信頼はしているのだけれど、力を抜いて相手に任せてしまうと言うのは意外と難しいものだと思う。

足の裏やすね、ふくらはぎと独特のタッチで触っていく。すねへのタッチは、少し痛いけれどすごく気持ちがいい。ロルフィング本来の目的からは外れるけれどマッサージされてるような気持ち良さで、このままずっと続けて欲しいと思う。

しかし、私は、身体が固く、特に足は疲れやすい部分なので、永井さんは苦戦している様子だ。申し訳ない。

そして、今回もただ横になって施術を受けるのではなく、イメージしたり足の指を動かしたりと言ったワークが入る。これがなかなか難しい。足の指を別々に動かしてくださいと言われても、動かせないのはもちろん、あれっ?足の中指ってどこにあったっけ?と言う感じである。自分の身体なのに、感覚がないのである。これには驚いた。

それだけ身体の感覚が鈍っていと言うことか?ちなみに、帰りの電車の中で考えたら、手の指でさえ薬指だけを持ち上げるのは難しい。

セッションを受けながら、疑問に思っていたことを質問してみる。ロルフィングで扱う筋膜とは何かとか、どうしてこんなにも急に歩き方が変わってしまったのかとか。

筋膜については、親切に説明してもらったのだが、「ふーん、そういう膜が身体の中にあるのかぁ」と言う程度しか私には理解できなかった。

ロルフィングの効果があまりにも劇的だったことについては、まず、変化の速度は人それぞれだし、実際に変化が起きても本人が気づかない場合もあるとのこと。

そのうえでロルフィングによる身体の変化と言うのは、身体に新しい動きを覚えさせるわけではなく、障害を取り除くことで身体本来の動きを取り戻すことによる変化なので、短時間で効果が現れる場合もあると言う。

私なりの理解で言うと、たとえば新しい英単語を暗記するには時間がかかるけど、前から知っている単語を思い出すのは、一瞬でできる。そんなイメージだろうか?

ひととおり終わると起き上がって部屋を歩いたり、膝をまげたりする。前回の変化があまりに強烈だったので、たしかに歩きやすくなった気はするけれど、いまひとつピンとこない。

膝を曲げるとき、右側が少し前に出ている。重心も右側に偏っているようだ。この左右のずれを調整してもらう。そのあと身体を左右に揺らし、左右のバランスが取れたポジションを見つけるワークをした。ちゃんとバランスの取れた位置で立つことができた。自分の身体の感覚が少しづつ正常になっていることが感じられて嬉しい。

続いては、椅子に座った状態から身体を前に倒し、背骨をひとつひとつ積み上げるイメージで起き上がるワーク。これが難しい。上手くできない。

永井さんが背中に手を当ててアシストしてくださったお陰で、完全とは言えないけれど、何とか感覚だけは分かってきた。もう一度ベッドに横になって、首へのタッチがある。最後に写真を撮って終了した。

帰り道、歩いているとやっぱり調子がいい。右足のお尻のあたりに凝ったようなだるさがあるけれど、それでも調子はいい。1回目のセッションの後も、たしかに歩きやすかったのだけれど、足が左右ちぐはぐで身体がバラバラに動いているような違和感があった。今回はその違和感がない。太ももから脚全体で歩いている感じだ。

代謝がよくなったのかお腹が減った。なんだか眠い。ロルフィングを受けた日は、水を多めに飲んだ方がいいらしい。なるべく水分をとり、ゆっくりお風呂にでも入ろう。(注意!あとで分かったのだが、ロルフィングの後は、代謝が良くなっているので、お風呂はよくないみたいだ。)

身体もなれない動き(ワーク)で疲れたのかもしれない。お酒(ビール)は飲まずに早く寝ようと思う。

あと、やはり、すり減った靴はよくないらしいので、明日スニーカーを買に行こう。永井さんに聞いたところ、靴底が薄めで地面を感じられるものがいいと言うことなので参考にしたい。

9月13日(セッション2の翌日)
朝からさっそくスニーカーを買いに行く。最初は調子がよかったが、2時間ほどお店を見て回っていると足首から足の甲にかけて痛みを感じ始めた。

膝にも痛みがあり、すねのあたりの筋肉にも疲労感がある。痛みは左側の方がひどい。今まで右に重心が偏っていたのが、左にも体重がかかるようになったためかも知れない。

帰宅してから、自分ですねの骨の外側の筋肉をマッサージする。ひと休みしたあと、新しいスニーカーに履き替えて外出。近所のスーパーや書店などを2時間ほどかけてまわる。

歩くと足首の正面の少し上でやや外側の部分、足の付根あたりに力がかかっている感じがする。特に左足の筋肉はそのあたりが筋肉痛みたいな感じである。右の膝にも軽い痛みが有る。

足のいろんな筋肉が疲れて固くなっている感じがする。腰から背中にかけての筋肉もコリを感じる。土地踏まずのあたりもだるい。今まで使っていなかった筋肉を使うようになったためかも知れない。

初めてロルフィングを受けた1回目のセッションの後は、いくらでも歩けそうな感じだったのに、今回の2回目のセッションのあとは、だるさや疲れ、痛みなどの感覚が強くて体感としては快適とは言えない。しばらくは無理をせず注意深く自分の身体を観察しよう。

9月14日(セッション2の2日後)
仕事用の革靴も底が磨り減っていたので、新しいものに変えたのだが、こちらは靴擦れを起こしてしまった。昨日感じていた足の痛みや疲労感は感じなくなった。しかし、靴擦れのせいもあって、あまり快適とは言えない。

9月15日(セッション2の3日後)
今日は、特に変化を感じられなかった。靴擦れになった部分が痛む。

9月16日(セッション2の4日後)
靴擦れの痛みに感覚が集中してしまうせいか、身体の変化があまり感じられない。座る姿勢も悪くなっている。

9月17日(セッション2の5日後)
朝起きると腰がだるい感じがする。腰の筋肉が疲れているようだ。まだ靴擦れが直らない。足を引きずるような歩き方になっている。座り方も足を組んでしまったり、立つときも膝が固くなったり、ロルフィングを受ける前の姿勢に逆戻りしつつある。自分でもなんとなく分かるのだけれど、直せない。

9月18日(セッション2の6日後)
朝、やはり腰がだるい感じがする。膝にも負担がかかっているように思う。足首やすねのあたりの疲労感や負担は、ほとんどなくなった。

しかし、前回の効果があまりにも衝撃的だったので、今回はなんとなく物足りない。これで良いのだろうか?

※ロルフィング(Rolfing®)は、ロルフ・インスティテュートによって商標登録がされている。