ロルフィング セッション体験記(4)

たとえて言うなら、最初にロルフィングを受けたときの変化は、自動車のエンジンがパワーアップしたような感じだった。それに対して今回の変化は、サスペンションを調整し、歯車に油をさして、すべての部品がぴったりと噛み合ったような感じだ。劇的な変化ではないが、とても心地が良い変化である。

2009年10月17日

ロルフィング セッション4

《骨盤内構造の調整。ミッドラインの確立》

電車に乗っている間に雨が降ったが、駅についたときには止んでいた。ツイている。しかし電車の中で眠ってしまい、おでこにヘンな痕が残っているのは問題だ。

永井さんに会ってご挨拶をする。いつものように身体の調子を聞かれたので、足を挫いたけれど、もう痛みはないことと、原因は良く分からないけれど、左の腰の前面に出っ張っている骨のあたりが、どこかにぶつけた後のような感じで軽い痛みがあることをお伝えする。

ロルフィングの10セッションは、最初の1回目から3回目までが表層の筋肉へのアプローチ、4回目から7回目までが深層の筋肉、8回目から10回目で身体全体を統合すると言うテーマを持っている。つまり前回までのセッションでひとくぎりついて、今回(4回目)からは、身体のコアに入って行くわけだ。

今日は、脚の内側と座骨の近くの筋肉にアプローチする。普段、他人から触られない部分(お尻のやや内側より)にもワークを行うと説明される。今までの信頼関係があるので心理的な抵抗はない。

いつものように着替えをして下着になる。一応、今回からは、持参しておいた下着に着替えてセッションを受けることにした。前回までは、服を脱いで下着になるだけだったが、万一、途中で汚れたりしていたらかっこ悪いので、念のためである。

写真撮影をして、部屋の中を歩いたり、膝を曲げたりする。最初にくらべると、我ながら左右の足も平行に近いし、バランスも取れていて良い感じだと思う。

けれど、足の親指は、まっすぐ正面ではなく、やや左右に開いた感じになっている。つまり、完全に平行ではない。今日のセッションでは、このあたりも調整されるみたいだ。

まずは、施術ベッドに仰向きになり、身体の力を抜いていく。永井さんが足首のあたりに手をそえてくれているのだが、その部分が温かくて心地よい。毎回のことだが、なんだか楽しくなってきて笑えてくる。

姿勢を横向きに変えて、下になっている方の足を伸ばす。上になっている足をずらすように曲げて、下になっている方の足にワークを施していく。足の裏から始めて、ふくらはぎの内側、太ももの内側へと上がって行く。最初はやや肌寒かったのが、ワークが進むにつれて身体が温まってきた。

途中で、永井さんから「呼吸をここへ送ってください」と指示されるのだが、その場所が、お尻とか足だったりする。さすがに足にまで空気は入らないと思うが、イメージ的には、割と当たり前に出来てしまう自分がなんだか可笑しかった。

太ももの内側は、結構痛かった。永井さんは、ぱっと見た感じ、小柄でそんなに力があるようには見えないのだけれど、ポイントをしっかり突いてくるだけに、かなり堪える。

よく「ロルフィングは痛い」と噂されているけど、やっぱり痛いなと妙に納得する。けれど不快な痛みではなくて、ツボを思いっきり押されたような痛みである。いかにも効いている感じがする。足が1〜2センチぐらい伸びているのではないかと思う。実際に計ってもらえないのが残念だ。

座骨付近の筋肉へのアプローチは、たしかにお尻の内側寄りの微妙なエリアに触れるけれど、時間も短かいし、特に抵抗や不快感はなかった。今度は反対側を向いて同じようにワークを行う。

身体の左右両側に対するワークを終えて、起き上がり、歩いてみる。最初は、かなりフラフラする。ふくらはぎや太ももの内側の筋肉がふにゃふにゃに柔らかくなった感じだ。

しばらく歩くうちに、だんだん馴れて来る。足の親指が正面を向くようになった。右足のふくらはぎに、なんだか固い部分が残っているのが感じられたので、そこを再度調整してもらう。

次に、椅子に座った状態から、丸いボールを抱くような感じで身体を前に倒し、背骨をひとつひとつ積み上げるイメージで起き上がるワーク。これはどうも苦手だ。最近出て来たお腹が邪魔になって苦しくなる。少し家で練習してみよう。

背中と首へのワークのあと、最後にもう一度、部屋の中を歩き、写真を撮って終了した。

2週間後に次回の予約をお願いする。ちなみに私が見たロルフィング関連のサイトの中では、あまりセッションとセッションの間隔をあけないで1週間に1回ぐらいのペースが良いと書いてあるところもあったと記憶している。

けれど、私の感覚だと、次のセッションまで2週間ぐらいがちょうど良い。人によって違うだろうけれど、私にとっては、自分の身体の変化を観察するのに、それぐらいの期間が必要だ。1週間だとちょっと短い。

実際、永井さんの元に通われているクライアントさんもペースは人それぞれらしい。無理せず自分のペースで良いと言うことで安心する。

外に出て歩いてみると、マッサージを受けた後みたいに足が楽になっている。でも、割と普通だ。帰りにシュウマイを買う。ビールが欲しいところだが、今日は我慢しよう。

しばらく歩いているうちに、やはり調子がいいなと思う。最初のセッションの後のような劇的な変化ではない。1回目のときは、足が前へ前へ出る感じの調子の良さだった。今回は、身体の動きがすごくスムーズになったような感じがする。

たとえて言うなら、最初にロルフィングを受けたときの変化は、自動車のエンジンがパワーアップしたような感じだった。それに対して今回の変化は、サスペンションを調整し、歯車に油をさして、すべての部品がぴったりと噛み合ったような感じだ。劇的な変化ではないが、とても心地が良い変化である。

帰宅してから気づいたのだが、肌がしっとりした感じがする。鼻の頭に触ってみると脂が分泌されているようだ。ワーク中に代謝が良くなったせいだろうか?

また、太ももの内側やふくらはぎなど、今日、ワークした部分に筋肉痛に似たようなだるくて痛い感覚がある。思い起こせば、2回目のセッションのときにも、ワークを受けた部分に同じような感覚があったが、2〜3日で消えてしまった。おそらく身体が本来の状態に戻る過程で、こういう症状がでるのだろう。

ロルフィング セッション4終了後の変化

10月18日(ロルフィング セッション4の翌日)
ぐっすり眠れた。元々寝つきは良い方だが、ロルフィングを受けてから、寝つきが良すぎるような気がする。筋力トレーニングなどをしたあとも眠くなったりするが、それは身体を再構築するためだと聞いたことがある。ロルフィングも意識している以上に身体は変化しているのかも知れない。

その一方で夢を良く見る。今朝もたくさん夢を見た。夢は記憶を再構築していると聞いたことがあるが、これもロルフィングと関係があるのだろうか。身体の動きを司っている脳の働きをバージョンアップしてたりするのだろうか?

身体の調子が良いので、ハーフマラソンぐらいなら走れそうな気分になる。(練習は必要だろうけど。)身体を動かすのが楽しい。歩いていると何だか少し内股になっているような気がするが、実際はこれで足の親指がまっすぐ前を向いた状態なのだ。

昨日ワークした太ももの内側やふくらはぎは、相変わらず筋肉痛に似たような痛みがある。左はそれほどでもないが、右は結構痛い。

10月19日(ロルフィング セッション4の2日後)
夢にうなされて明け方に目が覚める。太ももの内側がまだ少し痛い。

前回のセッションのときに永井さんが「ロルフィング(のクライアント)は、エステやマッサージのように施術者にお任せではダメ。クライアント自身がロルフィングを通してどうなりたいか?考える必要がある」と言う意味の話をしていたことを思い出す。

私は、ロルフィングに何を求めているのだろうか?たしかに何らかの変化を求めてはいるのだが、明確な目標があるわけじゃない。

10月20日(ロルフィング セッション4の3日後)
明け方、寝ているときに、お尻の微妙なあたりの筋肉がぴくぴくする感じがあって目が覚めた。セッションでワークを行ったあたりなので何か関係があるのだろうか?

10月21日(ロルフィング セッション4の4日後)
朝起きると頭が痛い。昨夜、お酒を飲んだことは飲んだけど、小さなコップにビールを3杯程度なので二日酔いとは思えない。原因は良く分からないが、この頭痛は午後には治っていた。

近頃、夜はすぐに眠くなっていたのに、なぜか今夜は、パソコンで文章を書いているうちに日付けが変わっていた。

10月22日(ロルフィング セッション4の5日後)
午前2時40分。昨日の続き。文章を書いているうちに目が冴えて眠れなくなった。座骨の下が凝ったような感じがして、自分でマッサージをする。

不思議なもので、ロルフィングを受けるまでは、そんな場所に筋肉があると言うことさえ意識したことがなかった。「ああ、自分の身体のここに、こんな筋肉があるんだなぁ」と漠然とでもイメージできると、身体に対する意識が変わってくる。

ロルフィングのセッションを受けるたびに、自分の身体にある筋肉を発見している感じだ。自分の身体って、解剖図を見ても分からないけど、実際に筋肉に触れられて体感するとよく分かる。これは何もロルフィングに限ったことではなくて、マッサージや整体、カイロプラクティックも同じだと思う。

10月23日(ロルフィング セッション4の6日後)
ロルフィングについて、もっと知りたいと思う。インターネットで本を探す。残念ながらアイダロルフ博士の著書は英語しかないみたいだ。読む自信はないけど注文してみる。

10月24日(ロルフィング セッション4の7日後)
朝からピラティスのDVDを見ながら呼吸を練習してみる。ロルフィングと確かに似ている部分があるように思う。

夜、整体師の友達と飲みに行く。彼は「筋膜リリース」もやっているので、筋膜についていろいろ質問してみる。筋膜と言うのは、たしかに解剖学的にそういうものがあるらしいが、じゃあ見せてと言ってみられるものじゃないらしい。

まぐろの刺身の白い筋は筋膜なの?
筋子やタラコの膜は筋膜なの?
と素人な質問を連発した。結局、筋膜って何なんだろう?

10月25日(ロルフィング セッション4の8日後)
昨夜は少し飲み過ぎたようだ。酔っぱらって歩いて帰ったせいか足もだるい。以前に挫いた右足の甲に軽い痛みがある。膝の下の骨の脇の筋肉にも、筋肉痛のような疲れがある。

午後から用事があって外出。結構歩いた。身体全般の調子は悪くないのだが、腰がだるい。ロルフィングで下半身(脚)が変化しているのに、上半身がついていけない感じだ。

10月26日(ロルフィング セッション4の9日後)
今朝も夢をみた。ロルフィングを受けて夢をよく見るようになったと言う報告はあるのだろうか?腰がだるい。

10月27日(ロルフィング セッション4の10日後)

ロルフィングを受け始めてから、毎日、身体について感じたことをブログに記録してきたわけだが、今日は久しぶりに過去の記録を読み返してみた。

こうして改めて見てみると、ロルフィングによって自分の身体が確実に変化していることが実感できる。たとえば、最初にロルフィングを受けた直後は、歩きやすくなった反面、身体がバラバラに動いているような違和感も感じていた。しかし、セッションを重ねるごとに違和感がなくなって、身体全体がひとつになり動きもスムーズになってきた。

残念なことに、こうした良い意味での変化には、人間はすぐに馴れてしまう。それが当たり前になる。そして、身体がだるいとか痛いとか、ネガティブな面にばかり注意が向いてしまう。

最近は、腰のあたりの「だるさ」が気になるが、いずれセッションが進むにつれて改善することを期待しよう。

10月28日(ロルフィング セッション4の11日後)
最近、デスクワークをするときの姿勢が悪くなっている。ロルフィングを受ける前に戻っているみたいだ。腰のあたりがだるい感じだ。

夕方になると背中が凝って痛くなってきた。胸に息が入って行かない。胸で呼吸が詰まってしまっているみたいで息苦しい。肋骨と肋骨が固まってしまったような感じだ。何度も深呼吸をしてみる。息を大きく吸い込むと胸から背中にかけての筋肉が痛い。特に右側がひどい。

10月29日(ロルフィング セッション4の12日後)
昨夜は、胸から背中にかけて筋肉が固まったような感じがして息苦しかったのだが、今朝、目が覚めると治っていた。でも、夜になると、また右の背中が凝っている。

10月30日(ロルフィング セッション4の13日後)
今朝は、セッション2でやった、足の親指と他の4本の指を別々に動かすワークをやってみた。セッションを受けた直後は、毎日練習しようと思っていたのに、いつの間にかすっかり忘れていた。昨日、ロルフィングを受け始めてから毎日つけている記録を読み返していて、このワークのことを思い出したのだ。

今日もやはり背中が凝っている。自宅には全身が映る鏡がないので、道を歩いているときにショーウィンドウで自分の姿勢をチェックしてみる。なんとなく背中が後ろに倒れているような気がする。

それから、ロルフィングで苦手なワークがあるので、これも練習してみる。椅子に座って上体を前に倒し、背骨の一番下からひとつづつ積み上げるように起き上がると言うワークなのだけれど、どうも上手くできない。イメージが湧かない。でも、このワークを練習していると、背中のコリが少し楽になるような気もする。

たぶん、次回のセッションでもこのワークがあると思うので、なんとかちゃんと出来るようになりたいものだ。

10月31日(ロルフィング セッション4の14日後)
腰と背中がだるい。触ってみると筋肉が固く凝っているのが分かる。自分でマッサージをすると気持ちは良いのだが、一時的な効果しかない。

午前中は、「ボディワーク入門 ロルフィングに親しむ103のテクニック」小川隆之・斎藤瑞穂 著(朱鷺出版)と言う本を読む。説明がとても分かりやすい。

午後からは外出。歩くのは調子良く歩ける。しかし、やはり腰と背中が凝っている。夜は、昨日に続いてワークの練習をする。椅子に座って上体を前に倒し、背骨の一番下からひとつづつ順番に積み上げるように起き上がるのだが、やっぱりピンと来ない。背骨のひとつひとつをイメージすることができない。

※ロルフィング(Rolfing®)は、ロルフ・インスティテュートによって商標登録がされている。